東京駅完成111周年|歴史と今をつなぐ赤レンガの物語

東京の中心にあり、毎日多くの人が行き交う「東京駅」。
通勤や旅行、出張などで何気なく利用しているこの駅が、完成から111周年を迎えました。

東京駅は、単なる交通拠点ではありません。
それは、日本の近代化の象徴であり、時代の変化を静かに見守ってきた“生きた歴史遺産”でもあります。

本記事では、東京駅完成111周年という節目にあわせて、その誕生の背景から現在の姿、そして私たち日本人にとって東京駅が特別な存在である理由までを、あらためてじっくりと紐解いていきます。

目次

東京駅完成111周年とは?

東京駅が完成したのはいつ?

東京駅が正式に開業したのは、1914年(大正3年)12月20日
今から1世紀以上前、日本が近代国家として大きく歩み始めていた時代です。

当時の東京は、明治維新を経て急速に都市化が進み、鉄道網の整備が国家的な課題となっていました。
東京駅は、東海道本線と東北本線を結ぶ日本の鉄道網の中枢として計画され、「日本の玄関口」として誕生したのです。

111周年という数字の特別感

111周年という数字は、100周年ほどの大きな節目ではありません。
しかし、ゾロ目ならではの親しみやすさと、「100年を超えてなお現役であり続ける」という事実が、東京駅の存在感をより際立たせています。

完成から111年。
東京駅は、関東大震災、戦争、高度経済成長、バブル崩壊、そして令和の時代まで、あらゆる局面をくぐり抜けてきました。

 

東京駅の誕生と知られざる歴史

設計者・辰野金吾と赤レンガ駅舎

東京駅の設計を手がけたのは、日本近代建築の父とも称される辰野金吾
日本銀行本店などを設計したことで知られる建築家です。

辰野金吾が採用したのは、赤レンガを基調とした重厚な西洋建築。
当時の日本では、まだ木造建築が主流でしたが、「近代国家・日本」を象徴する建築として、あえて西洋様式が選ばれました。

赤レンガの駅舎は、威厳と品格を兼ね備え、訪れる人に強い印象を与えたといいます。

戦災・復興・保存へ

しかし、東京駅の歴史は順風満帆ではありませんでした。
1945年の東京大空襲により、駅舎は大きな被害を受け、屋根や内装の多くが焼失します。

戦後の復旧では、資材不足などの事情から、簡易的な形での再建が選ばれました。
本来3階建てだった建物は2階建てとなり、ドーム屋根も失われたままの状態が長く続きます。

それでも東京駅は、日本の復興と高度経済成長を支えながら、休むことなく使われ続けてきました。

丸の内駅舎の復原工事と現在の姿

創建当時を再現した復原工事

2007年、ついに東京駅丸の内駅舎の本格的な復原工事が始まります。
目指したのは、「できる限り創建当時の姿に戻す」こと。

約5年半におよぶ工事を経て、2012年、赤レンガの3階建て駅舎と美しいドーム屋根が復活しました。
天井に施された精緻な装飾やレリーフは、当時の写真や資料をもとに忠実に再現されています。

 

国指定重要文化財としての東京駅

復原工事の完了とともに、東京駅丸の内駅舎は国の重要文化財に指定されました。
日常的に使われる駅が重要文化財となるのは、非常に珍しいケースです。

保存と実用性を両立しながら、現役で使われ続ける――
それこそが、東京駅の大きな価値といえるでしょう。

111周年の今こそ見たい東京駅の見どころ

丸の内駅舎(外観・夜景)

東京駅といえば、やはり丸の内側の赤レンガ駅舎。
特に夜のライトアップは格別で、昼間とはまったく異なる表情を見せてくれます。

温かみのある光に照らされた赤レンガは、まるで映画のワンシーンのよう。
写真撮影スポットとしても人気が高く、国内外の観光客が訪れます。

ドーム天井と干支レリーフ

南北に2つあるドーム天井も必見ポイントです。
天井には、古代ローマ建築を思わせる装飾が施され、細部まで見応えがあります。

また、干支をモチーフにしたレリーフが配置されており、「辰と巳」「戌と亥」など、すべてが揃っていない点も興味深いポイントです。

東京駅地下・駅ナカの進化

一方で、東京駅は常に進化を続けています。
地下に広がる「グランスタ東京」では、最新のグルメやお土産が集まり、連日多くの人で賑わっています。

歴史ある駅舎と、最先端の商業空間が共存しているのも、東京駅ならではの魅力です。

東京駅が日本人にとって特別な理由

「出発と帰還」の象徴

東京駅は、新幹線をはじめとする多くの路線の起点です。
進学や就職で上京した人、旅に出る人、そして帰省や帰宅で戻ってくる人――
多くの人生の節目が、この場所と重なっています。

「行ってきます」と「ただいま」が交差する場所。
それが、東京駅なのです。

時代を超えて使われ続ける建築

明治・大正・昭和・平成・令和。
5つの時代を越えて、同じ場所で使われ続けている建築は、決して多くありません。

東京駅は、単なる建物ではなく、人々の記憶を内包した空間として存在し続けています。

東京駅完成111周年を楽しむおすすめの過ごし方

駅舎をじっくり歩く建築散策

111周年の今こそ、急ぎ足で通り過ぎるのではなく、
「見る駅」として東京駅を歩いてみるのがおすすめです。

外観 → ドーム天井 → 地下空間という順で巡ると、
東京駅の奥深さをより実感できます。

周辺エリアとセットで巡る

東京駅周辺には、皇居外苑や丸の内仲通りなど、散策にぴったりのエリアが広がっています。
駅を起点に、歴史と現代が交差する街歩きを楽しむのもおすすめです。

まとめ|111年経っても進化し続ける東京駅

東京駅は、1914年に完成して終わりではありません。
戦争を乗り越え、復原され、今もなお進化を続けています。

111年という歳月は、単なる数字ではなく、
日本の歴史と人々の暮らしを映し出す時間そのものです。

次の節目――120周年、150周年へ。
東京駅はこれからも、変わりゆく時代の中で、変わらない存在として私たちを迎えてくれるでしょう。

(おまけ)豆知識コラム|東京駅に残る意外な秘密

毎日多くの人が行き交う東京駅ですが、実は知る人ぞ知る“秘密”がいくつも残されています。
完成から111年経った今だからこそ、ぜひ知っておきたい豆知識を紹介します。

① 東京駅のドーム天井に「すべての干支」は揃っていない

丸の内駅舎の南北ドーム天井には、干支をモチーフにしたレリーフが装飾されています。
しかし実は、十二支すべては揃っていません

あえて「辰・巳」「戌・亥」など一部の干支が省略されており、
「未完成の美」や「未来への余白」を象徴しているとも言われています。

② 赤レンガの数は、正確には誰も知らない

東京駅の象徴である赤レンガ。
その数は数百万個とも言われますが、正確な個数は公式に公表されていません

しかも、復原工事の際には、使えるレンガは可能な限り再利用されました。
つまり、今の東京駅には100年以上前のレンガが現役で使われているのです。

③ 東京駅は「皇居に最も近い駅」として設計された

東京駅は、皇居(旧・江戸城)を意識して設計されています。
丸の内駅舎の正面は、皇居へと続く行幸通りに一直線でつながっています。

この配置は、天皇の利用を想定した国家的玄関口であったことを示す名残です。

④ 実は地下に「最新の免震構造」が隠されている

見た目は100年以上前の建物ですが、
地下には現代の最先端技術が詰まっています。

復原工事の際、東京駅の地下には巨大な免震装置が設置され、
大地震でも建物全体が揺れを逃がせる構造になっています。

“レトロな外観 × 最新の安全技術”
これも東京駅ならではの秘密です。

⑤ 東京駅は「完成した瞬間」が今の姿だった

戦後の長い間、東京駅は本来の姿とは異なる状態でした。
現在の3階建てドーム屋根の駅舎は、創建当時の姿を忠実に復元したものです。

つまり、2012年の復原完了時に、
東京駅は「ようやく本当の完成形に戻った」とも言えます。

⑥ 駅なのに「ホテル」が組み込まれている

丸の内駅舎の中には、「東京ステーションホテル」があります。
駅と一体化したこのホテルは、100年以上の歴史を持ち、
かつては国内外の要人も利用していました。

**“泊まれる文化財”**とも呼ばれる、非常に珍しい存在です。

⑦ 東京駅は「毎日使われながら守られている文化財」

国の重要文化財でありながら、
東京駅は今もなお毎日何十万人もの人が利用しています。

「保存するために閉じる」のではなく、
使い続けることで守る文化財――
それが東京駅最大の秘密かもしれません。

 

コラムまとめ

東京駅は、ただの大きな駅ではなく、
細部にまで物語と工夫が詰まった“生きた建築”です。

次に東京駅を訪れるときは、
ぜひ少し足を止めて、こうした秘密にも目を向けてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次