🚱 水が止まった時、困るのは「飲み水」だけじゃない
地震・台風・豪雨などの災害では、電気だけでなく「水道」も止まることがあります。
飲料水はもちろん、顔を洗う、歯を磨く、トイレを流す——
私たちの生活のほとんどが“水”に支えられていることを痛感します。
特に、夏場や避難生活では衛生管理が健康を左右します。
手が洗えない・汗が流せない・トイレが使えない状態が続くと、
感染症やストレス、体調不良の原因にもなります。
そこで今回は、**「断水しても清潔に過ごすための防災家電・グッズ」**をテーマに、
“水の備え”をトータルで考えていきましょう。
💧 断水時の3大課題と解決の方向性
| 課題 | 対応策 |
|---|---|
| ① 清潔を保ちたい | 携帯シャワー・ドライシャンプー・ボディシート |
| ② 安全な水を確保したい | 携帯浄水器・ポリタンク・飲料水備蓄 |
| ③ トイレを使いたい | 簡易トイレ・凝固剤・防臭袋 |
電気やガスと違い、「水」は代替がきかない資源。
限られた水をどう使い回すか・補うかがカギになります。
🚿 清潔を守る「防災シャワー&ボディケアグッズ」
断水時にお風呂やシャワーが使えないと、
身体の不快感だけでなく、気分も大きく落ち込みます。
そんな時に役立つのが「携帯シャワー」と「水を使わないケア用品」です。
🔹 ① ポータブルシャワー(電動/手動タイプ)
| タイプ | 特徴 | 利用シーン |
|---|---|---|
| 電動ポンプ式 | USB充電・ペットボトルやバケツの水を利用 | 短時間の全身シャワーに最適 |
| 手押しポンプ式 | 電気不要・空気圧で水を噴射 | アウトドア・避難生活に便利 |
| 重力式(吊り下げタイプ) | 高所からの落差を利用 | 屋外やキャンプに最適 |
💧おすすめモデル
- アイリスオーヤマ「ポータブルシャワー JPW-T81-W/H」
充電式で軽量。約24分間連続使用可。
→ 約14,000円前後。 - キャプテンスタッグ「ハンディシャワータンク付」
ポンプ式で電源不要。ベランダや避難所でも活躍。
→ 約4,000円前後。
💡 使い方の工夫:
水道が止まった場合でも、風呂の残り湯やポリタンクの水を再利用できます。
洗顔・手洗い・簡易洗髪に十分対応。
🔹 ② 水を使わないケアグッズ
断水時には、“水なしで清潔”をテーマにした製品が非常に役立ちます。
| グッズ | 特徴 |
|---|---|
| ドライシャンプー | 髪にスプレーして拭くだけ。ベタつきを除去。 |
| ボディ用ウェットシート | 1枚で全身拭ける大型タイプがおすすめ。 |
| 歯みがきシート/液体歯みがき | うがい不要で口内を清潔に。 |
| 除菌ジェル・アルコールスプレー | 手洗い代わりに使用可能。 |
💬 Tip:
災害用に限定せず、普段からアウトドアや旅行にも使えるタイプを選ぶと、
定期的に使って在庫回転も自然にできます。
💦 安全な飲み水を確保する「携帯浄水器」
飲料水は命に関わる最重要項目です。
しかし、ペットボトルの備蓄だけでは数日が限界。
そこで注目されているのが、**携帯浄水器(ポータブルウォーターフィルター)**です。
🔹 携帯浄水器の基本構造
- 中空糸膜フィルター:微生物・細菌を除去(0.1〜0.2μm)
- 活性炭フィルター:臭いや濁りを除去
- 手動吸引式 or ポンプ式:川や水たまりの水も飲料レベルに
💧 おすすめ携帯浄水器(2025年版)
| ブランド | モデル | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| LIFESAVER(ライフセーバー) | Liberty Bottle | 99.99%の細菌除去・2,000L使用可能 | 約20,000円 |
| ソーヤーミニ(Sawyer Mini) | フィルター内蔵ストロータイプ | 超軽量・手軽に使用可 | 約4,000円 |
| GRAYL(グレイル) | ULTRA PRESS | 押し出し式・1回15秒で浄水 | 約15,000円 |
| トレビーノ(東レ) | PT302 | 日本製・交換フィルター対応 | 約5,000円 |
💡 選び方のポイント:
- 家庭備蓄向け:容量多めのボトルタイプ
- 携帯避難向け:ストロー型 or ポンプ式
- 長期災害対応:交換フィルター付き
🧴 水を運ぶ・貯めるためのアイテム
- 折りたたみポリタンク(10〜20L)
軽量・収納性抜群。バケツ代わりにも。 - ウォータータンク+蛇口付タイプ
調理や手洗いにも便利。 - 浴槽の残り湯を溜めて再利用(バスタブバッグ)
断水予報時に有効!
🚽 忘れがちな「トイレ問題」も命に関わる備え
断水時、最も困るのがトイレ。
実際に多くの被災地で「トイレが使えない」ことが最大のストレスになっています。
そんな時に必要なのが、**簡易トイレ(非常用トイレ)**です。
🔹 簡易トイレの種類と特徴
| タイプ | 特徴 | 利点 |
|---|---|---|
| 凝固剤タイプ | 排泄物を瞬時に固めて防臭 | 手軽・家庭備蓄に最適 |
| 袋+便座セットタイプ | 洋式便器や段ボールにセット | 自宅トイレに設置できる |
| 自立式ポータブルトイレ | フレーム付きで安定感◎ | 高齢者・介護世帯向け |
| 災害用トイレボックス | 1回分ずつ包装されたセット | 避難所・車中泊向け |
🚽 おすすめ簡易トイレ(2025年版)
| ブランド | モデル | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| BOS(ボス)防臭袋+凝固剤セット | 10〜50回分セット | 臭わないポリ袋が好評 | 約3,000〜6,000円 |
| アイリスオーヤマ「防災トイレパック」 | 便器にかぶせて使用。10回分入り | 家庭トイレをそのまま利用可 | 約2,500円 |
| LOGOS「携帯トイレセット」 | コンパクト・登山・避難兼用 | 個包装で持ち運び簡単 | 約1,500円 |
| TOTO「ハイドロネクスト」 | 高吸水ポリマー採用・長期保管対応 | 約4,000円 |
🧻 トイレ備えの目安
- 1人あたり1日5回 × 3日分=15回分以上
- 家族4人なら60回分を目安に備蓄。
💬 ポイント: 凝固剤だけでなく、防臭袋・除菌スプレー・使い捨て手袋もセットにしておくと安心。
🧩 水がなくても快適に過ごす工夫
- ラップをお皿に敷く → 洗い物を減らす
- ウェットシートを各部屋に配置 → 清潔を保つ
- ペットボトルのキャップに小穴をあけ、簡易シャワー化
- 使い終わった水を“二次利用” → トイレや掃除に再利用
💡 Tip:
水の再利用ルールを家族で話し合っておくと、災害時の混乱を防げます。
🌈 フェーズフリーな視点:普段から「水の備え」を暮らしに
防災グッズというと“特別なもの”に感じがちですが、
携帯シャワー・浄水器・簡易トイレは普段から使える実用品です。
- アウトドアやキャンプ → ポータブルシャワーや浄水器
- 停電・節水対策 → バケツ型タンクや給水バッグ
- 高齢者介護 → 携帯トイレや使い捨て用品
「日常の延長に防災を置く」=フェーズフリーな暮らし方。
非常時でも“慣れた道具”がそのまま使える安心を生みます。
🧭 まとめ:水がなくても「清潔」は守れる
電気が止まっても、ガスが止まっても、
最後に人を支えるのは清潔と衛生です。
- 🚿 携帯シャワーで身体を清潔に
- 💧 浄水器で安全な飲み水を確保
- 🚽 簡易トイレで衛生を維持
この3点をそろえることで、
どんな状況でも「人としての生活」を続けられます。
“水の備え”は、単なるサバイバルではなく、
**「暮らしの尊厳を守る防災」**なのです。
🔗 次回予告
次回は、
Vol.7|家族みんなにやさしい!高齢者・ペットにも安心な防災家電🐾
をお届けします。
それぞれの家庭に合わせた“思いやりの備え”をテーマに解説します。
