災害時の「電気の確保」が生死を分ける
近年の地震や台風による長期停電のニュースを見て、「もし自分の家が停電したら?」と考える人が増えています。
スマートフォンの充電が切れれば情報収集も家族との連絡も取れず、冷蔵庫の食材は傷み、冬なら暖房も使えません。
そんな中で注目されているのが**「ポータブル電源」**です。
小型のモバイルバッテリーとは異なり、ポータブル電源は「家庭用コンセント」として使える大容量バッテリー。
スマホやパソコンだけでなく、電気毛布・扇風機・冷蔵庫などの家電も動かせます。
しかし価格が高いため、「本当に必要なの?」「どれを選べばいいの?」と迷う方も多いでしょう。
本記事では、防災視点での必要性から、おすすめモデルの比較レビューまでを詳しく解説します。
ポータブル電源が防災で役立つ理由
1. スマホ・情報機器を継続使用できる
災害時に最も大切なのは「情報」です。
最新の被災状況や避難情報、家族との連絡など、スマホのバッテリーが命綱になります。
200Wh以上のポータブル電源なら、スマホを10回以上充電できるため、数日間の停電にも対応可能です。
2. 医療機器や家電も稼働できる
高齢者のいる家庭では、酸素濃縮器やCPAPなど電源が欠かせない医療機器を使用している場合があります。
また、冬場には電気毛布や湯沸かしポット、夏場は扇風機や冷蔵庫なども稼働でき、「命と健康を守る家電」を動かせる安心感があります。
3. ソーラーパネル充電で“自家発電”が可能
近年のモデルはソーラーパネル充電に対応しており、太陽光を使って電気を再生可能。
長期停電でも再充電できる点が、防災用品としての大きな魅力です。
容量・出力別に選ぶポイント
● 小型モデル(〜300Wh)
- 目安:スマホ・ライト・ラジオなどの充電中心
- 特徴:軽量・コンパクトで扱いやすい
- メリット:持ち運びが簡単で、価格も手頃(1〜3万円)
- デメリット:出力が小さく、家電は動かせない
● 中型モデル(500〜700Wh)
- 目安:電気毛布・ノートPC・小型冷蔵庫も可
- 特徴:防災用として最もバランスが良い
- メリット:家庭内の主要家電を短時間動かせる
- デメリット:やや重く(6〜8kg)、充電に時間がかかる
● 大型モデル(1000Wh以上)
- 目安:炊飯器・電子レンジ・大型冷蔵庫も可
- 特徴:長期停電・アウトドア兼用に最適
- メリット:2〜3日分の電力をまかなえる
- デメリット:10kg以上と重量があり、価格も10万円超
実際に使ってわかったメリット・デメリット(レビュー視点)
メリット① 静音で夜でも使いやすい
発電機と違い、ポータブル電源は動作音が非常に静か。
夜間でも赤ちゃんや高齢者を気にせず使えます。
メリット② 設定が簡単で誰でも使える
コンセントに差すだけで使用できるため、機械に詳しくない人でも直感的に操作可能。
「ランプ・スマホ・家電」など用途別にポートが分かれている点も安心です。
デメリット① 重量・サイズの問題
中型以上のモデルは6kg〜10kgと重く、女性や高齢者が持ち運ぶのは少し大変。
収納スペースも取るため、保管場所を事前に決めておく必要があります。
デメリット② 充電時間が長い
大容量モデルではフル充電に5〜10時間かかるものも。
「使いたい時に充電切れだった」という事態を防ぐため、定期的に電源を入れてチェックしましょう。
🔋 人気ポータブル電源おすすめ比較レビュー【防災向け】
| モデル名 | 容量・出力 | 重量 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|
| Jackery ポータブル電源 240 | 240Wh/200W | 約3.1kg | 軽量・シンプル操作・信頼のブランド | 初心者向け。スマホ・ライト中心の備えに最適。 |
| Anker Solix C800(旧PowerHouse 757) | 768Wh/1200W | 約9.6kg | 高出力で家電にも対応・急速充電対応 | 家族向け。電気毛布や小型冷蔵庫にも◎ |
| EcoFlow DELTA 2 | 1024Wh/1800W | 約12kg | 家電同時稼働も余裕・ソーラーパネル充電可 | 長期停電・アウトドア兼用で頼れる万能モデル。 |

🟠 Jackery ポータブル電源 240|軽量&扱いやすいエントリーモデル
- 容量:240Wh/出力200W
- 充電可能回数(スマホ):約15回
- 価格帯:2.5〜3万円前後
Jackeryは「防災用ポータブル電源」としての認知度が非常に高いブランド。
操作はワンタッチで、コンセント・USB・シガーソケットの3系統を搭載。
軽量で持ち運びやすく、女性や高齢者でも扱いやすいのが特徴です。
短期停電や一人暮らしの備えとしてはベストバランス。
ソーラーパネル(Jackery SolarSaga 100)と組み合わせれば、簡易的な自家発電セットにもなります。
🟡 Anker Solix C800|家電対応の中型モデルで“在宅避難”に最適
- 容量:768Wh/出力1200W
- フル充電時間:約1.4時間(高速充電対応)
- 価格帯:7〜9万円前後
AnkerのSolixシリーズは「家庭でも安心して使える」安定出力が強み。
このC800は、電気毛布・PC・小型冷蔵庫まで稼働でき、
停電時の“在宅避難”にぴったりの1台です。
液晶モニターで残量・使用状況が見やすく、
防災だけでなくキャンプ・車中泊にも兼用可能。
Ankerらしい洗練されたデザインも魅力です。
🟢 EcoFlow DELTA 2|長期停電・本格防災対応の最上位モデル
- 容量:1024Wh/出力1800W(瞬間最大2700W)
- ソーラーパネル充電対応(最大500W入力)
- 価格帯:12〜14万円前後
EcoFlow DELTA 2は、防災・アウトドア両用の定番モデル。
1000Wh超の大容量で、冷蔵庫・IHコンロ・炊飯器・ドライヤーまで使用可能。
「X-Stream充電技術」により、約80分でフル充電できる圧倒的なスピードも魅力です。
さらに別売バッテリーを接続すれば容量を最大3,000Whまで拡張可能。
長期停電でも“自立した電力供給”を維持できるハイエンド機です。
💬 実際に比較してわかったこと(レビューまとめ)
| 観点 | Jackery 240 | Anker C800 | EcoFlow DELTA 2 |
|---|---|---|---|
| 価格 | ◎ 手頃 | ○ 中価格帯 | △ 高価 |
| 容量・出力 | △ 小容量 | ○ 家電対応 | ◎ 大容量・高出力 |
| 重さ | ◎ 軽い | ○ やや重め | △ 重い |
| 静音性 | ◎ | ◎ | ○ |
| ソーラーパネル対応 | ○ | ○ | ◎ |
| 防災・在宅避難向き度 | ○ | ◎ | ◎◎ |
- Jackery 240:価格重視・スマホ中心の人に最適
- Anker C800:防災と普段使いの両立を目指す家庭にぴったり
- EcoFlow DELTA 2:本格的な電力備蓄を求める人に最強の安心感
⚡ ソーラーパネルを組み合わせて「完結型防災電源」へ
どのモデルを選ぶ場合でも、ソーラーパネル併用で備えのレベルが格段に上がります。
停電中に電気を「再生産」できるため、実質的には“無限バッテリー”状態に。
おすすめの組み合わせ例:
- Jackery 240 × SolarSaga 100(軽量折りたたみ式)
- Anker C800 × Anker 625 ソーラーパネル
- EcoFlow DELTA 2 × EcoFlow 220W ソーラーパネル
🧭 結論:防災用ポータブル電源は「安心への投資」
比較してみると、価格・容量・利便性には明確な違いがありますが、
共通して言えるのは「電気がある安心感は何より大きい」ということ。
停電が数時間で済むとは限りません。
数日間の自宅避難を想定するなら、ポータブル電源は“心の備え”にもなります。
🌱 迷ったら中型(500〜700Wh)モデルからの導入が最も現実的です。
家族3〜4人なら、電気毛布・スマホ・照明を同時にカバーできます。

